2019/10/31
私が注目しているスペインのワイン。
スペインには数多くの土着品種が存在しており、まだまだ私たちが知らないような素晴らしいワインがそれらから生産されている。
ここでは、スペインワインを学ぶための基礎として、赤ワイン、白ワインそれぞれに使用されている品種を紹介していこう。
スペインワインによく使われるブドウの品種[赤ワイン編]
スペインでは、飲みやすく手軽な価格で手に入れることができる赤ワインが多く生産されている。
もちろん、高級赤ワインも数多く存在しているが、やはりその多様性が魅力と考えて問題は無いだろう。一体、どんな品種があるのか紹介していく。
Graciano[グラシアノ]
グラシアノは、スペインならではの品種であり、18世紀後半頃からはリオハ、とくにリオハ・アラベサ地区の西部で多く栽培されていたと言われている品種だ。
モラステルという品種名でフランスでは栽培されているが、その数は前生産量と比較しても少なく貴重である。カベルネソーヴィニョンのような、濃厚でカシス感の強い赤ワインを生産し、テンプラニーリョの補助品種として使用されることが多い。
引用:https://www.wine-searcher.com/find/vinedo+contino+graciano+doca+rioja+alavesa+spain
Callet[カリェット]
地中海のマヨルカ島で栽培されていることが多い品種が、カリェットだ。カリェットは、イタリア北部や南フランスといった、昔からブドウ栽培が盛んであった土地で生まれたと言われているが、その場所で造られることももう無い。
マヨルカ島の一部の生産者の中には、このブドウ品種の素晴らしさをより広く伝えようと、新しくワインが造られており人気を博している。
Tempranillo[テンプラニーリョ]
スペインを代表する黒ブドウ品種といえば、何と言ってもテンプラニーリョだろう。リオハの原産と言われているこのテンプラニーリョは、実は”早熟”という意味を持っている品種だ。
タンニンが強く、色合いの濃いワインを造るため長期熟成に耐えうる高級品種として人気を博す。
テンプラニーリョは、シノニムと呼ばれる別名が多数あり、造られている産地によってその呼び名が変わる。ティント・フィノ、ウル・デ・リェブレ、またポルトガルでも主要品種として活躍する。高級赤ワインの代表的な品種と言えるだろう。
引用:https://www.lodigrowers.com/varietal-focus-tempranillo/
Cariñena[カリニェナ]
アラゴン地方が原産と言われている、フランスでカリニャンと呼ばれているブドウ品種が、カリニェナだ。実は、非常に繊細なブドウとして知られており、栽培が難しい。
そのため、栽培面積が今ではかなり減ってしまっているのだが、味わいは酸が豊富でタンニンも強く、長期熟成型の面白いワインを作り出す。高級ワイン産地で知られているプリオラトで、今カリニェナが成功をおさめているのでぜひチェックしてみてほしい。
スペインワインによく使われるブドウの品種[白ワイン編]
スペインは白ワインも品質が高いことで知られている。そもそも、カバも白ワインから造られているスパークリングワインであるため、ベースである白ワイン造りのポテンシャルの高さは注目に値するものだろう。ここからは、スペインで造られている白ブドウ品種を紹介していこう。
Treixadura[トレイシャドゥラ]
ガリシアやポルトガルなどで栽培されているのが、トレイシャドゥラという品種だ。栽培面積が少なく、希少価値の高い白ブドウとして今注目を浴びている。
基本的にアルバニーリョとの相性が良く、柑橘やパイナップルといった華やかな香りも特徴だ。スペインでもかなりの雨量が多い地域で栽培されていることから、トレイシャドゥラも比較的強いブドウであることがうかがえる。
Parellada[パレリャーダ]
カバにブレンドされている、スペインでは非常に有名な白ブドウ品種が、パレリャーダだ。カタルーニャ地方で長く栽培されている固有品種であり、カバには切っても切れない関係の、重要な白ブドウ品種として人気を博している。
実は、パレリャーダは繊細な品種であり栽培が難しく、希少価値が高い品種となっている。酸がしっかりとしているが、花を思わせる香りを多く放つワインを出すため、カバのまろやかさや優しさ、優雅に貢献している。
近年、このパレリャーダを使ったスティルワインも多く生産されるようになってきており、さらに話題の品種となっていきそうな予感である。
引用:https://www.terroirum.com/ja-jp/wine_grapes/parellada/
Albariño[アルバリーニョ]
ガリシア州で主に栽培されている高級白ブドウ品種が、アルバリーニョだ。心地よい酸を持っているだけでなく、華やかな香り、さらに口当たりはまろやかという素晴らしい白ワインを生み出す後期品種だ。
近年、話題となっているDOリアス・バイシャスの主要品種であり、魚介類との相性が良いワインを造ることから日本人にも馴染みやすいと注目を集めている。スペインワインを語る上で、きってもきれない重要品種と言えるだろう。
Verdejo[ベルデホ]
ソーヴィニョンブランを思わせる、柑橘系の香りを放つのがベルデホだ。DOルエダの主要品種として古くから使われており、ややハーブっぽさを感じさせる繊細な品種となっている。
案外、土地への対応力が高く、昼夜の寒暖差が大きな地域ではアロマと酸がしっかりとした素晴らしい白ワインを造る。近年では、熟成をさせる生産者などもおり、今後注目し続けていきたい品種のひとつと言っていいだろう。
引用:https://www.decanter.com/wine/wine-regions/rueda-wines/the-verdejo-grape-rueda-373802/